2003.03.01

HAIKU・ 俳 句 ・HAIKU


(6)俳句は型から覚えよう



それでは最後の基本型を紹介しよう。
「や」「かな」以上の思いきりが必要とされる「けり」なのだ

「型・その4」 


例句
  はつあらし佐渡より味噌のとどきけり    久保田万太郎
  みぞれ雪涙にかぎりありにけり       橋本多佳子
  蟻地獄聖(ひじり)はめしひたまひけり   阿波野青畝

  季語(名詞)/       /動詞+けり
   ●●●●●/●●●●●●●/●●●けり
   上五      中七     下五


この基本型は、上五に五音の名詞となる季語を置き、
下五の動詞に「けり」が付いたもの。

これにも応用型はあるが、基本型は中七・下五がひと続きのフレーズで
上五の季語を説明してはいけない。
季語とその他のフレーズは、かすかな響きあいだけでいいのだ。

昨今は、分りやすく説明的フレーズが多くなっているので注意。
しかし、それでは俳句を読んだ醍醐味が無くなってしまう。
あくまで、俳句は散文ではなく韻文だと心得るべし。

「型・その3」の「かな」では、一句を読み終った後の余情が、
また上五・中七へと戻って、ふたたび十七音をつつみこむような
働きがある。

つまり、省略されたものが「かな」二文字に託され、その余情
余韻が読者に伝わるのだ。すなわち、「かな」は沈黙の切字。

しかし、「けり」はもっと強い決断の切字。言い淀んではいけない。
作者の発見や思いを一言で言い切る意志が必要とされる。

  霜柱俳句は切れ字響きけり   石田波郷

この潔いリズムを見失わないようにしよう。

たとえば、上五の季語に

「葱坊主」「白木蓮」「蜆汁」として作ってみよう

もちろん、自分で季節を先取りした季語を探すのもいいだろう

どうだ、できるかな? 

                (-。-)y-゜゜



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